パワハラ・退職勧奨・不法行為に係わる判例一覧

退職強要・不法行為
国際信販事件(東京地裁平成14年7月9日判決)
「Y1会社に勤務していたXが、Y1会社から解雇の意思表示を受けその効力を争ったもの。自ら退職するまでの賃金と、在職中に従業員から受けた嫌がらせに対する損害賠償を求めた。判決はY1らのXを退職させるための嫌がらせ行為に関し、Y1会社代表者らについてはそれぞれ民法709条の不法行為責任を、そしてY1会社については、商法261条3項、78条2項、民法44条1項に基づき損害賠償責任を認めた。」

全日本空輸(退職強要)事件(第一審)(大阪地裁平成11年10月18日判決)
「原告に対して被告が行った退職勧奨は、その頻度、各面談の時間の長さ、原告に対する言動が、社会通念上許容しうる範囲を超えており、単なる退職勧奨とはいえず、違法な退職強要として不法行為となる。」

エフピコ事件(第一審)(水戸地裁下妻支部平成11年6月15日判決)
「Yの従業員であったXらが、Yから不当な転勤命令により退職を強要されたなどと主張して、債務不履行ないし不法行為に基づき、勤務を継続し得た向う1年間の得べかりし賃金、慰謝料及び会社都合退職金との差額の損害賠償を求めたもの。」

エール・フランス事件(東京高裁平成8年3月27日判決)
「労働者を退職に追い込むために職場の上司らが行った暴力行為や嫌がらせ行為や、実質上の有用性がかなり低い統計作業を行わせたことが、不法行為を構成するとして、会社と職場の上司らの双方に損害賠償責任を課した。」

下関商業高校事件(最高裁昭和55年7月10日第一小法廷判決)
[事実の概要]Y(市)の職員Aは、高等学校教諭のX1、X2(以下「Xら」)に対して、Xらは第1回目の退職勧奨(2月26目)以来一貫して勧奨には応じないことを表明していたにもかかわらず、X1に対しては3月12目から5月27目までの間に11回、X2に対しては3月12目から7月14日までの間に13回、それぞれ市教委に出頭を命じ、1~4人の勧奨担当官が1回につき短いときでも20分、長いときには2時間15分に及ぶ勧奨を繰り返した。加えて、Xらが退職するまで勧奨を続ける旨の発言をし、また、組合が要求していた宿直廃止や欠員補充について、Xらが退職勧奨に応じない限り応じられないとの態度をとる等した。

パワハラ・労災
名古屋南労基署長(中部電力)事件(控訴審)(名古屋高裁平19年10月31日判決)
「うつ病に罹患して自殺をした労働者について、主任への昇格及び担当業務の増加に加え、上司による叱責等は、何ら合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えたいわゆるパワハラとも評価されるものであり、一般的に相当程度心理的負荷の強い出来事と評価すべきであるとして、業務起因性を認めたもの。」

国・静岡労基署長(日研化学)事件(東京地裁平成19年10月15日判決)
「上司の言動により、社会通念上、客観的にみて精神疾患を発症させる程度に過重な心理的負荷を受けていたとして、労働者の精神障害発症及び自殺について、業務起因性を認めた。」

亀戸労基署長事件(東京高裁平20年11月12日判決)
「出血性脳梗塞を発症した労働者について、当該労働者の時間外労働時間は、業務と脳血管疾患等の発症との関連性に関する労基署の基準には満たないが、相当長時間のものであると評価することができ、さらに、上司による叱責は、長時間労働により疲労を有していたと考えられる当該労働者に対し、一層のストレスを与えるものとなったとして、業務起因性を求めた。」